出産というのは現在でも絶対に安心ということはなく、妊娠した女性にとっては命がけの大仕事です。しかし、超音波検査という画期的な検査方法の出現で、多くの妊婦が出産時のリスクから解放されたと言っても良いでしょう。「エコ-」とも呼ばれるこの検査は、超音波を当てて臓器等にぶつかることで生じる反射波を画像化しますが、この方法が使われる前までは、赤ちゃんは生まれてくるまで男の子か女の子か性別すらわかりませんでした。現在では妊娠期間中に行う超音波検査で性別もさることながら、逆子の判定も可能となっています。

超音波検査がなかった時代は、この逆子の出産というのは赤ちゃんにとっても妊婦にとっても命のリスクが伴うものでして。産道を頭からではなく、足から出てきたために途中で引っかかってしまい赤ちゃんが十分な酸素が吸えなくて脳に障害が残るなどということも起こっていました。また、双子なども出産するまでは確定できず、出産は助産婦の腕にかかっている部分が多大にあったということは想像に難くありません。今だったら逆子は超音波ですぐに判断できますから、臨月になっても正しい位置に戻らなかったら帝王切開で出産すれば、母子ともに安全を確保することができます。

このように考えると、超音波検査は多くの母子の命を救ったことになると言えるかもしれません。被爆の心配もなく、患者に苦痛を与えることなく診察できるという点も超音波検査の大きなメリットのひとつです。